遺言には、つぎの三つの方式があります。
自筆証書遺言
自筆証とは、遺言者が遺言書の全文、日付及び氏名を自著し、これに印を押した遺言をいいます(968条1項)。自筆証書遺言は、遺言のなかでも最も簡単な方式で、文字さえ知っていれば作成できる遺言書の方式です。
[書き方]
1. まず、遺言のすべてを自書することが必要ですので、誰かに書いてもらったり、ワープやパソコンを使って作ったものは、たとえ一部分であっても、自筆証書遺言とはいえず無効なってしまいますので気をつけてください。
2. また、日付は必ずしも年月日を記載する必要はなく、遺言の作成の日がいつであったの明らかになればいいとされていますので、「満65歳の誕生日に」というように書いても有効です。しかし、例えば、「平成17年11月」とか「平成17年11月吉日」などの記載は11月のいつなのかが明らかでないので無効となってしまいます。
3. 氏名は、誰が書いたかが明らかになればよいので、法律上は必ずしもフルネームで書く必要はありませんが、誤解のないように、当事務所ではフルネームでお書きになることをお勧めしています。
4. 最後に署名の後ろに印鑑を忘れずに押してください。
5. なお、証書の中の文字を直したり、加えたりする場合には、遺言者はその場所を示して、これを変更した旨を付記して署名するとともに変更の場所に訂正印を押さないといけません(968条2項)。
公正証書遺言
公正証書による遺言の方式をいいます(969条)。
この方式による場合には、その存在及び内容が明瞭であって、極めて証拠力が高い上に、自書できない場合にもなし得る長所がある代わりに、その内容が利害関係人に知られるほか費用がかかるという短所があります。
[書き方]
公正証書遺言をするには、
1. 二人以上の証人の立ち会いのもと、
2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、
3. それを公証人が筆記したうえで、遺言者および証人に読み聞かせ、
5. 遺言者および証人が、筆記の正確なことを承認したのち、各自これに署名・押印し、
7. 公証人が、民法の定める公正証書遺言の方式にしたがって作成した遺言書であることを付記し、署名、押印をすることになります。
秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、自分が死ぬまで遺言の内容を他人に秘密にしておきたい遺言者向けの方式です。
この方式による場合には、遺言の内容を秘密にしつつ、自筆証書遺言のように方式不備で無効になるおそれが少ないという長所がある代わりに、手続が複雑になることや内容が不明確になりやすいという短所があります。
[書き方]
秘密証書遺言をするには、
3. 遺言者は、自己または第三者が作成した遺言書に署名し、印を押さなければなりません。自筆証書遺言と異なり、署名さえ自筆であれば遺言自体は他人が書いたのものでも構いません。
5. 遺言者は、遺言書を封筒に入れ、遺言書に押したのと同じ印で封印しなければなりません。
7. 遺言者は、その封書を公証人一人および証人二人以上の前に提出し、それが自分の遺言書であること、ならびに遺言書の筆記者の氏名・住所を申述しなければなりません。
9.公証人は提出された封書に提出日付および遺言者の申述を記載した後、遺言者、証人とともにこれを署名し、印を押さなければなりません。
以上の手続によって秘密証書遺言は成立します(970条1項)。
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